ヘテムル:リニューアルで月額800円~と身近になった超高速・大容量レンタルサーバー
ヘテムルはロリポップ!レンタルサーバーでお馴染みののGMOペパボ株式会社(旧paperboy&co.)が提供するレンタルサーバーです。今回このヘテムルを利用させて頂く機会を頂きましたので、特徴と合わせて使い勝手などをご紹介させて頂きます。
ヘテムルのサービスが始まったのは2005年。提供開始当時はクリエイターのための高機能ホスティングサービスと大々的に謳っていて、明らかに他社とは異なるお洒落で格好良いWEBサイトが印象的なレンタルサーバーでした。Macromedia ColdFusionやFlash Media Serverに対応しているレンタルサーバーは国内ではヘテムルくらいしか無かったので、当時からWEB制作者・開発者にヘテムルを支持する人が多かったように思います。
ちなみにヘテムルというブランド名はHTMLに由来するそうです。
「ヘテムル」のサービス名の由来は、サービス作成時に弊社スタッフが帰りの電車でたまたま前に座っていたWeb制作会社の人たちがHTMLのことを「ヘテムル」といい間違えていたことから付いたサービス名です。(ひそひそ裏話)
— heteml (ヘテムル) (@heteml) July 25, 2013
言われてみるとなるほどという感じですが、ちょっと面白いエピソードですね。
ヘテムルはサービス開始以来ずっとWEB制作者向け、開発者向けというイメージがあり、利用料金も月額1,500円とビジネスユースの価格帯でしたが、2017年11月のリニューアルで月額800円~に改訂され、グッと身近な存在になりました。
ここではヘテムルならではという特徴を幾つかピックアップし、どんな方に適したレンタルサーバーなのか考えてみたいと思います。
注目ポイント1. 速度に対するこだわり
全てのストレージにSSDを採用
PCに続いてレンタルサーバーでもHDD(ハードディスク)の数倍の速度が期待できるSSD(ソリッドステートドライブ)の採用例が増えてきましたが、ヘテムルではデータベースサーバー、WEBサーバー、メールサーバーの全てにストレージにSSDを採用しています。
SSDとHDDを併用しているレンタルサーバーは数多くありますが、共用サーバーで全てのストレージにSSDを採用しているのはまだまだ少数派。ディスクアクセスがボトルネックになることがなく安定したパフォーマンスが期待出来ます。
モジュール版PHP、OPcache、HTTP/2に対応
PHPは保守の面から多くのレンタルサーバーがCGI版PHPのみの対応となっていますが、ヘテムルではCGI版PHPよりも高速にプログラムを実行できるモジュール版PHPが選択できるようになっています。
CGI版PHPと比較すると設定に若干の制限がありますが、特別設定の必要がない場合はモジュール版PHPを選択することでスピードアップを図ることが出来るようになっています。
他にもキャッシュ機能によってプログラムの実行効率を向上させ高速化を図るOPcacheや、HTTPS化したウェブサイトの表示速度を高速化する通信プロトコルHTTP/2も採用していますので、ストレスの無いスムーズなレスポンスを実現しています。
注目ポイント2. 大容量に対するこだわり
マルチドメイン無制限
ヘテムルではプランに限らずマルチドメインを無制限に設定することが出来ます。制限無く独自ドメインのWEBサイトを設定・運用することができますので、会社で複数のWEBサイトを運用したい方、アフィリエイトで様々なジャンルのWEBサイトを運用したいという方でも1アカウントの契約だけで対応することが出来てしまいます。
マルチドメインが無制限でも容量や転送量に制限があって実際は・・・というレンタルサーバーも存在しますが、ヘテムルでは次に紹介する通り容量も転送量も十分なスペックとなっていますので、無制限のマルチドメインを実用レベルで活用することが出来ます。
大容量SSD 300GB
ヘテムルでは全てのストレージにSSDを採用しているにも関わらず、容量300GB(ベーシック200GB)を実現しています。300GBと言えばサーバー一台丸ごと占有する専用サーバークラスの容量ですので、WEBサーバーとしては使い切るのが難しいくらいの大容量です。
WordPressが導入時30MB程度の容量ですので、相当頑張って写真付きの記事を投稿しない限り1GBにも達しません。マルチドメインで複数のサイトを運用したり、膨大な数の商品を扱うオンラインショップを運用するとしても十分に対応できる容量と言えるのではなでしょうか。
ちなみにWordPressやCMSで必須とも言えるデータベースMySQLは100個まで利用可能(ベーシックは70個)です。これも一般的な用途であれば使い切ることが難しいくらいの数と言えます。
転送量120GB/日
ヘテムルで利用可能な転送量の上限は1日あたり120GB(ベーシック80GB)となっており、共用型のレンタルサーバーではトップクラスの転送量となっています。
転送量が1日当たり120GBと言ってもあまりピンと来ないかもしれませんが、仮に1ページあたり500KB程度WEBページであれば、計算上は24万PVまで対応可能という事になります。1日あたり24万PVですので、1ヶ月でしたら約720万PV。現在運用しているWEBサイトやこれから立ち上げようとしているWEBサイトの1日あたりのPVを思い浮かべてみてください。余程の有名サイト・人気サイトでない限り、心配する必要が無い数字と考えて良いのではないでしょうか。
・・・とは言え、ここまで紹介してきた要素の中で上限に達する可能性が少しでもあるとすれば、この転送量ということになるのかもしれません。
注目ポイント3. セキュリティ・安定動作に対するこだわり
稼働率99.99%
ヘテムルのレンタルサーバーは国内最大規模のデータセンターに設置されており、24時間365日の有人監視により稼働率99.99%を実現しています。障害に関する情報はヘテムルのWEBサイト上の「障害情報」で公表されていますので、状況を確認したい方はチェックしてみてください。
無償バックアップ体制+有料バックアップオプション
ヘテムルでは標準で7日間(DBサーバーは14日間)の自動バックアップに対応しています。申し込みなど必要なく無償で自動的に専用バックアップサーバーにデータが保管されますので万一の時でも安心できる体制となっています。
但し、無償バックアップの場合はバックアップデータを取得する際に1回5,000円の手数料が掛かります。利用者レベルでバックアップデータからデータを復旧させることは滅多に無い筈ですが、開発や更新の関係で任意のタイミングで無制限に取得・復元したいという方には月額700円でより高度なバックアップオプションも用意されています。
ワンクリックで設定できる無償独自SSLと格安の有償SSL
安全性の面だけでなく、SEOの点でも注目されている独自SSLですが、ヘテムルでは専門の知識が無くてもコントロールパネル上で簡単に導入できるようになっています。
特にブログや個人サイトに最適な無料のSSL証明書Let’s Encryptに関しては、コントロールパネルの独自ドメイン設定ページで「無料独自SSLを設定する」にチェックを入れるだけでSSL証明書の導入が完了し、https://~で始まるURLが利用できるようになりますので、「SSLを導入したいけど何だか難しそう」と思っていた方は是非ヘテムルをチェックしてみてください。
ビジネス向けの有償SSLもGMOグローバルサインの証明書が半額近い価格で導入できるようになっています。
無料で利用できるWAF、F-Secureのアンチウィルス機能
ヘテムルでは株式会社JP-Secure提供のWAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)が標準装備されていますので、追加料金を払うことなく無料で利用することが出来ます。WAFは従来のファイアウォールやIDS(侵入検知)、IPS(侵入防止)では防げなかったWEBアプリに対する攻撃・不正アクセスを検知・防御できる機能ですが、有料オプションとして提供しているレンタルサーバーも多いので無料で利用できるのはヘテムルならではのメリットと言えるのではないでしょうか。
メールのウィルスチェック・スパムフィルタには実績のあるF-Secureのスパムフィルタ・アンチウィルスが採用されていますので仕事でも安心して利用することが出来ます。
注目ポイント4. 使い勝手に対するこだわり
FTPはアカウント50個設定可能、WebDAVにも対応
ヘテムルではFTPのサブアカウントを50個まで設定出来るようになっています。アカウント毎に管理できるディレクトリを指定できるので、様々なコンテンツが混在するようなWEBサイトでも安全に運用することが出来ます。.ftpaccessによる接続元の制限も出来ますので、外部からFTPを不正利用される心配がありません。
また、WebDAVを有効にすればFTPソフトを利用することなく、PC上でオンラインストレージのように扱えるので、300GBもの大容量ストレージをFTPアカウントごとに有効利用することが出来ます。
使い勝手の良いコントロールパネル
ヘテムルでは独自のコントロールパネルを採用しており、大抵の機能はマニュアルを読まなくても直感的に操作・設定できるようになっています。同じGMOペパボ株式会社が提供するロリポップ!レンタルサーバーに少し似たインターフェイスですが、個人的にはヘテムルの方がスッキリとわかりやすく機能がまとめられていて使い勝手が良いように感じました。レンタルサーバーを利用したことがある方であれば迷う事なく使用することができる筈です。
php.iniやcronといった設定もテキストファイルを編集することなく、コントロールパネル上で設定できるようになっています。
使い勝手がイマイチな海外製のコントロールパネルで嫌な思いをしたことがあるという方は是非一度ヘテムルのコントロールパネルを試してみてください。
ヘテムルのちょっと気になるポイント
弱点らしい弱点の無いヘテムルですが、個人的に無理矢理気になる点を挙げるとするなら次の3点になるかと思います。
価格はやや高め?
ヘテムルは2005年のサービス開始の時から10年以上ずっと月額1,500円でしたので、そのイメージが強いのかもしれませんが、2017年秋のリニューアルで月額800円~と手頃な価格に改定されています。
それでもホビーユーザー向けのレンタルサーバーの中には月額数百円の格安プランも存在しますので、それらと単純比較してしまえば、高いと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ヘテムルはこれらの格安プランとはスペックも機能も大きく異なりますし、ターゲットと思われるユーザー層も異なります。ヘテムルは主にビジネス用途、WEB制作者・開発者、個人ユーザーでも中級者以上がターゲットになっているものと考えられますが、ヘテムルのスペックや機能を活用できる方にとってはコストパフォーマンスの高いレンタルサーバーに映るのではないでしょうか。
特にビジネス用途で考えるのであれば、月額数百円の差が負担になるとも考えにくいですし、数百円の差よりも速度や機能、安定性がビジネスにもたらすメリットの方に目を向けた方がハッピーになれるのではないかと思います。
電話サポート
ヘテムルはメールでのサポートに加えて、電話によるサポートにも対応しています。電話サポートを行っているレンタルサーバーは多くは無いのであまり贅沢は言えないのですが、ヘテムルの電話サポート受付時間は平日の10時~18時となっています。
常識的と言えば常識的な内容なのですが、お店やアフィリエイト、副業で利用する方向けに土日祝日のサポートもあったりするとより便利になるように感じました。
大幅パワーアップの影でひっそりと終了した機能も
ヘテムルは2017年にもリニューアルで大幅パワーアップを果たしていますが、最近作成した新規アカウントでは「クイック・フレームワーク」が利用できなくなっていました。この機能はワンクリックでCakePHP、FuelPHP、ZendFrameworks2といった主要フレームワークをインストールしてすぐに使える状態に出来るというものでしたが、このような独自機能はヘテムルらしい部分でもあったので無くなってしまったのは少々寂しく感じました。尤も、これらのフレームワークを利用するようなユーザーであれば手動でも難なく設置できると思いますので、この機能を利用する人自体少なかったのかもしれませんが・・・
ヘテムルはどんな人に向いている?
ヘテムルは大容量・高機能をわかりやすく簡単に扱えるよう考えられていますので、誰にでもオススメできるレンタルサーバーですが、特にターゲットを挙げるとするなら、ビジネス用途や個人であれば中級者以上のユーザーやアフィリエイターに適しているのではないでしょうか。
保守面や安定性という点では既に10年以上の実績があり、万一に備えた無償バックアップに加えて任意のタイミングでバックアップ・復元が可能な有償バックアップも用意されていますので、ブログやCMSといった手作業では保守が困難な昨今のWEBサイトでも安心して運用できる環境が整っています。
処理速度や容量という点でも、共用型レンタルサーバーでは最高水準のスペックと機能を備えたプラン内容となっていますので、制限や処理速度といったものを意識することなく、コンテンツの構築・充実に注力することが出来ます。
また、ヘテムルの価格帯では初心者や趣味用途での利用者の数は少ないと思いますので、無茶なサーバーの使い方をする人や、初歩的な質問でサポートを占有してしまうような人も限りなく少ないと考えることが出来るのではないでしょうか。
ヘテムルWEBサイトの「導入事例」というページでは、ヘテムルを採用している有名企業や有名WEBサイトが多数掲載されています。実際のWEBサイトにもリンクされていますので、利用を検討されている方はこれらのサイトでヘテムルで出来ること、実際のレスポンスなどを確認してみてください。
プラン構成
ヘテムルのプラン構成はとてもシンプルで「ベーシック(800円~)」と「プラス(1,600円~)」の2プランのみです。2つのプランは基本的に機能は同一で、容量、転送量、データベース数の3点が異なるだけです。「プラス」にしないと使えない機能があるという訳ではないので、収容するWEBサイトの大きさやアクセス数で「ベーシック」にするか「プラス」にするか考えれば良いという事になります。
容量とデータベースに関しては「ベーシック」でもそれぞれ200GB、70個と一般的な使い方では使い切れないくらいの容量と数がありますので、個人的には転送量を基準として「ベーシック」にするか「プラス」にするか判断すれば良いのではないかと思います。
転送量は「ベーシック」が1日あたり80GB、「プラス」が1日あたり120GBが目安となっています。
会社のWEBサイトやこれからWEBサイトを立ち上げる方、アクセス数は程々という方であれば「ベーシック」、人気でアクセスが非常に多いWEBサイトを運用している方やWebDAVでガンガンファイルを転送するという方は「プラス」を選択といった具合でしょうか。
ご自身の用途や状況に合わせてじっくり検討してみてください。
15日間の無料体験期間
ヘテムルの主な特徴をざっと見てきましたが如何でしたでしょうか?
ヘテムルの評判が良いのは知っていても月額1,500円という価格で躊躇していた方もいらっしゃると思いますが、2017年11月のリニューアルで月額800円~と手頃な価格に改訂されました。ヘテムルの特徴でもある多機能・大容量はそのままに利用しやすい価格帯となりましたので、迷っていた方はこれを機会に一度試してみては如何でしょうか?
ヘテムルでは15日間の完全に無料で利用できる体験期間が用意されています。クレジットカードなどの支払い情報を登録しなくても利用することができ、気に入らなかった場合は支払い手続きを行わなければ15日間が経過したところでそのまま終了となりますので、どなたでも気軽に試すことが出来ます。
ヘテムルの利用を検討されている方、こちらの記事で少し興味を持ったという方は是非15日間の無料体験でヘテムルの機能と性能をチェックしてみてください。